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【近況】
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【おまけコーナー】
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【近況】〇Project-Pandora
10/31に4回目の生放送を行いました。
その動画はコチラ
皆様のお力添えもあり、手探りながらも1周年を迎えることができました。
【今後の予定】〇Project-Pandora
次回生放送は、11/21㈰20:00〜を予定しています。
【おまけコーナー】《パスシス物語》
―企画終了にあたり/代表:島崎思いつきの企画より始まった擬人化企画、お楽しみ頂けましたでしょうか。
各企画のメンバーと共に設定を起こし、その設定を元にしたイラストと共に、作家陣に物語を書下ろしてもらいました。キャラ設定からして各企画の特色を落としこんでいるわけですが、書下ろしにあたり、作家陣には物語にも各企画の特色を混ぜ込んでもらうようにお願いしました。
その結果はすでに並べている通りではありますが、どのような考えでそれにいたったのか…各話へのコメントを代表してYunomiからもらって、ひとまず擬人化企画終了としたいと思います。
個人的には割とおもしろい設定ができあがってきたので、なにかしらの企画で再度会えたらと思っております。
―『PASS:1 長女・エイ子/白―ほわいと』
〇Yuomi
1話というのと、PASSに関連してるグループの大本となったといってもいいATPの擬人化というところで、『さてどんな話にしよう?』と、しいかと一番話したのはこれです。
とはいえ、最初の話から『あんまりこってりいきたくないよねー』ということと、ATPという団体が広いお客さん(小学生むけやってたぐらいですからねぇ)を相手にしていたので、するする読めるようなものを希望。とくに、後ろ(他の団体)にむずかしくなりそうなのが控えてたし…
あとは「おもしろいは正義」というキャッチコピーをうたっている団体だったことから、どこかに『オモシロイ』をいれたいなーというところから、「シロ」が浮かんできて、全体的な色合いが決まった感じです。
タイトルをつけたのは、しいかです。
元ネタは…いっていいのか…いいか…國府田マリ子さんの『コバルト』という曲。
演目のタイトルを、よく曲のタイトルや他の方の作品からもじることも多いので、今回もそのテイストを残そう、ということで、4作品とも全て元ネタがあるものとなりました。
そういう場合は、私かしいか、どちらかが考えたり書いたりしているときに使う曲から使うことが多くて、今回はしいかからでした。
わたしとしては、こーゆー透明感のあるお姉さん好きです。
自分がなれるかというと首をひねるんですけどね…―PASS:2 次女・セイ子/マイベスト・フィルム
〇Yunomi
SAY企画メンバーとのお話づくりの際は、作家陣からの提案をすることもありますが、どっちかというとユイポンとミニさんとわちゃわちゃお話しながら『こういうのどう?』『じゃあこれは?』『いいかも!』みたいなノリで原案まとめて、それをしいかに投げることが多いので、このお話もそんな感じで作りました。
セイ子ちゃんの話を…このご時世なのでラインとかオンラインで…おはなしして、『少女マンガっぽいよね』『マーガレットだね!』『本命は幼馴染だけど、後輩とか先輩がからんで…』なーんて少女マンガの王道的なお話をしてました。
で、もうなんかどの子も出してあげたくなっちゃったので、ダイジェストにしてしまえー、というのがスタート。
でもそのままだと、SAY企画っぽい部分…ただ甘いとか王道じゃなくて、ちょっとビターな現実テイストとか、『明日も元気に!』というあたりが足りない気がして、カメラ要素を強くして…あと、私が好きだから師匠をいれました。
私の中での本命は、師匠です。タイトルは、私が聞いてた、オーイシマサヨシさんの『オトモダチフィルム』から。
あと、しいかが最後に『4姉妹次女セイ子、なのでした。』を足したことから、このあとのお話にも、最後にキャラ名が入ることになりました。
―PASS:3 3女・ドラ子/転成したらドラ子だった件について
〇Yunomi
前二つに比べて、これはもう、なんか小難しい感じにしよう! と心に決めてました。
他、不思議な感じ、パンクな感じ、オカルトな感じ、哲学な感じ、
と、企画でよくでてくるニュアンスを少しづつ混ぜ込んで整えていった結果こうなりました。あとは、『メタ』ですね。
パンドラワールドという多重世界構造というかメタ構造というか…そういったところも扱おう、というような何を詰め込むかの話をしたところで、文章のベース作成はしいかに振りました。4つの企画の中でも特に毛色が違う企画な部分と、それでもPASSの中に入ってなじんでいくような、そんな企画の雰囲気がでてたらいいなーと思ってます。
タイトルは、これだけ歌が元ネタではないです。
元ネタは伏瀬さんの『転生したらスライムだった件について』。本がキーワードにあがる世界観なので、本にしようとおもって、『転生したら~』を提案したあとに、しいかが出してきたタイトルをみたら『転成』という文字が。
調べてみたら『性質の違った他のものに変わること』という意味があって、あぁ、そうか、そういうふうにかえてきたかーと…納得してたら、後々単なる誤字だったことが判明。ヨクアルコトデス(BYしいか)
もう納得してたので、これでいくことにしました。
『くやしがれ、カミ様。』のフレーズが好きです。―4女・ユー子/A story that someone knows
〇Yunomi
4企画の中で一番お話の案が出ました。
最終的に今のものになりましたが、『動物と一緒に異世界からきたナニかと戦う』とか『猫と一緒に裏道をいくと異世界にたどり着く』とか『電波を拾うと目が開いて虹色の目が見える』とか、なんか本当にいろいろでてきました。どれもありかなぁとおもいつつ、どれも『これだ!』とならないなか、聞く音楽を変えてでてきたのがこれで、私が『これが一番しっくりきた』ということでこれになりました。
企画的にも『しーゆーらいぶらりー』はしー(しいか)とゆー(Yunomi)のストーリー中心の企画だから、しっくりきたならそれでいいという代表の判断ももらって『じゃぁこれで!』となった曲のタイトルが、supercellさんの『君の知らない物語』でした。
もう、なんか、もうしわけないぐらいほぼそのままひっぱってるのですが、音楽と映像が頭の中でくっついてはなれなくなったので、そのままをカタカタとキーボードにうちつけました。
歌詞ベースなので、他の3つに比べて詩的に過ぎるかなぁ…まぁでもそれもまた企画ごとの差になっていいよね、と自分で勝手に納得させつつ渡したら、帰ってきた文章の中に『矢印マーク』が入っててびっくり。『文章直すところあんまなかったから、せめてなんかしてやろうと思ってこうした(BYしいか)』そうです。
矢印マークがいい感じに『でんぱ』な感じがしたので、採用。
文章としてみたらNGなのかもしれないけど、これもまた表現の一つかもしれない。
企画も実験演劇(であってますか?)的な雰囲気もあるし、いろいろ思いついたことを試してみるのもきっと悪くはない…はず…。
ちなみに『ボク』がカラスに決まったのは、その前にでてきてた案『でんぱぐみCMYK』で4色の鳥がでてくる話のなかで、K=クロム(黒)担当がカラスだった名残です。あと、私がカラス好きだから。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇Yunomi
以上、それぞれの企画に対してです!
まさかこうやって企画を擬人化して、それにお話を作るとか考えてなかったので、おもしろかったです。
1人1話だし、あえて雰囲気だけ伝わればいいよね、ぐらいの文章量にしているので伝わり切ってはいないと思うのですが、各企画の公演にきてくれたお客さんが「わかるわかる」とか、まだ公演にこれてない方がいずれおこしになられたときに「あぁ、確かに」と思ってもらえたら嬉しいです。また何かの機会があれば4姉妹とわちゃわちゃしたいなーと思うので、そのときはよかったら一緒に楽しんでやってください。
それでは、また別の物語で。
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【近況】〇PASSグループ
パスシス物語のストーリーは、今回で一区切りとなります。
次回は作家陣からのコメントを掲載予定ですので、そちらもお楽しみに。
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生配信『パンドラ■チューブ』の4回目を10月末に予定しております。
詳細はTwitterなどでご確認下さい。
@Atp_Pandora
【おまけコーナー】《パスシス物語》
PASS:4 4女・ユー子/A story that someone knows
―いつも通りのある日の午後、君は突然抜け出して行った―
口は半開きで吸う息は短く、
目はほとんど閉じていて眠そうで、
だけど君はどんな人込みだってあっという間に走り抜けていく。
―いつからだろう、君のことをおいかけるボクがいる―金色の髪はふわふわと広がり、びゅんびゅんと流れ、ボクは追いつくだけで精いっぱいだ。
―どうしてそんなに急いでいるの?―あの日突然訪ねたボクに、君は驚いているのか面倒なのかよくわからない顔をしたあとに指をさした。
―君が指さす先、冬の三角形―やった見つけたキミの先に女の子。
だけどどうしてだろう女の子。
どうやらひとりぼっち→
―楽しげなクリスマスの中、女の子は何も言わなくて―←本当はきっと今日のこと、どこかでわかっていた。
←みつかったってそばにはいない。
←それでもいいの、泣かないもの。
―強がるアナタはとっても強くて、一人でも平気かもしれない。だけど―
胸を刺す痛みは止まらないよね?→←ああそうか、イヤになるってこういうことなんだね
どうしたい? いってみよう→
←…頭の中に声がする?
アナタの前にいる→
←真実なら驚きね
―喋らなかった、でもお話してる、2人とも黙れない―
あの夏の日→
きらめく星→
←今でも思い出せるの?
笑った顔も→
←怒った顔も
←大好きだった→
―おかしいことだよね、誰も知らない彼女だけの秘密―だけど君はその秘密を拾う。
口も目も閉じたまま、だけど君は誰かの心を開く。年を越えて、
性を越えて、
体を越えて、
種を越えて、―君は突然抜け出して行くんだ―
今日も人と話にいこう→
明かりも見えなくなった誰かのとこに、
バカみたいに速く走って、抱え込んだ孤独や不安に、押しつぶされないように→
―真っ黒なボクから見下ろす君は、まるで星が奔るようで―
―いつからだろう、君のことをおいかけるボクがいる―
→だから、どうかお願い、驚かないで聞いてよ画面の向こうのアナタ←
→カラスの僕が語るのは、小さな彼女の物語←
→彼女の…4姉妹の4女、ユゥ子の思い、物語←A story that someone knows
~誰かは知ってる物語~
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【近況】〇PASSグループ
現在、緊急事態宣言に伴い活動規模を縮小してます。
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次回生放送を10月以降に予定しております。
※新型コロナウイルスの感染状況によっては延期となります。
【おまけコーナー】《パスシス物語》
PASS:3 3女・ドラ子/転成したらドラ子だった件について
目が覚めると、”見慣れた天井”だった。
1人部屋を貰ってから数年が経ち、最初こそ違和感を覚えた目覚めの風景も今は日常のものである。おかしなことは人生レベルで何もない。
物心がついてからの記憶にかけたところはないし、他人に脳みそや精神をいじくられたこともなかろうし、
であればいつものように目覚めた私は、足し引きすればおおよそ平均的といって差し支えなかろう現代女子中学生の一人としての生活を過不足なく過ごすだけである。ありふれた毎日というものを毛嫌いしているわけでもない。
幻想に恋い焦がれて異世界のへの入り口を探してもいない。それでも目覚めた時、見慣れた天井をみつめ、数秒ではあれ動きが止まってしまうのは、”見慣れた天井よりも見慣れた天井があったはずなのだが”と、心のどこかが疼くからだろう。
ましてや夢をみた時は…
夢の話など、他人にとっては現在の天気の話題並にどうでもよいことである為口にしないが、おそらくは同一世界の夢を私は稀によく見る。そこは剣と魔法とスチームパンクにデジタルパンクが混じりこんだ世界で、カミが世界を生み出し人間が生まれ右往左往し、そして世界が暗闇にとざれるまでに長い歴史があり、そして終わると同時にまたカミが世界を作り世界が始まる…絶望的な喜劇の世界である。
夢のシーンは時と場合様々であるが、その夢を見た時ほど”見慣れた天井”に違和感を覚える。
まるでここは、お前の世界じゃないんだぞ、と誰かに念押しをされているかのようなざわめきを覚える。お前の本来いるべき世界は、”そこ”ではなく”ここ”で、もっと泥臭くて、魂がじりじりとすり減っていくような場所なんだぞと…そう、誰かに語り掛けられているようなきになる。
冷静になれば、
小学校も卒業しているというのに何を子供めいたことを…と思う。
いや、年齢的には十分子供であるし、そもそもが『中二病』を罹患している自覚がある私であるから、この朝のできごともまた症状の一つなのかもしれない。その一方で、”もしや”を捨てられない自分もいる。
だが、まぁ、別にそれだけである。
仮に、私がどこか別の世界の誰かであった時期があったとして、私は今、私なのである。
ベッドから抜け出し、テーブルにおいてあるタロットカードをおもむろに手を伸ばす。
シャッフルし、一つに束ねる。
「…長女、エイ子」姉の顔を思い浮かべカードを捲る。
描かれたイラストは『太陽』。
「次女、セイ子」カードは『月』
「4女、ユウ子」カードは『星』
その3枚のカードの結果をみて、小さく笑う。
あぁ、これで何回目だろうか。
大アルカナとよばれる、22枚のカードだけを使った簡易なものとはいえ、姉妹のことを占う時…
もしや、私と同じように、”姉妹もまたどこか別のどこからか着た者ではないのか”とふと思ったあの時から、姉妹の前世とでもいうべきなにかを占うと…必ず、これらのカードが現れる。
何度やっても、
何度やっても、
今日の運勢だとか、これからやってくる問題とか、質問と状況が変わればちゃんとでてくるカードは変わるのに、前世占いとでも称するこの占いの結果だけは、依然変わらない。
そしてもちろん私も…
「…塔のカード」
今日も見慣れたカードの結果を確認したのち、部屋を出る。
これは科学的な根拠はない妄想的なことだけど…
私を含め、うちの姉妹は何かどこかから、この世界に生まれついた何かなのかもしれない。
それぞれはそれぞれに別の特徴を有する世界にいたが、なんらかのきっかけで…あるいは偶然で…または大きな意思かなにかによって…この世界での形を与えられて、ここにいるのかもしれない。「…おはよう」
リビングで朝食の用意をしている長女に声をかける。
「おはよう…ん? 怖い夢でもみたの?」
「いや…大丈夫。いつものこと」
「そう…何かあったらいってね?」長女とはこうも恐るべきものか…
昔は…情緒が安定する前は、いつもの夢を見ただけで姉に泣きついていた私である。
そんな私の顔を見ただけで今日もまたそれをみたことを察した姉は、私の頭をぽんぽんとあやし、気恥ずかしさからその手を払いのけてしまう前にするりと食卓の準備へと戻ってしまう。「おっはよう! あ、借りてたマンガ今日返すね! 感想はバイト終わってからで!」
背中から活力のある声をかけてきたのは次女。
朝から活動的な次女に私が返した「おはよう」が届いたかどうかは定かではないが、これもまたいつものことだ。「…うぅー」
「ん、おはよう」おそらくは朝の挨拶であろう…
細い眼を細いままに片手をあげた妹の手に、私もまた手を合わせて挨拶を返すと、細い眼のまま妹はにへらと笑う。
そして私たちは準備を終えると、それぞれに家を出ていく。
一つ屋根の下に暮らす家族といえど、四六時中共にいるわけではない。
それぞれにはそれぞれがあり、睡眠時間や学業を含む外での生活のことなども考えると、一緒にいる時間は想像以上に短いのだが…その時間が嫌いじゃない。
私は、彼女たちとの…あえて姉妹のことを彼女たちと表現するが…彼女たちとの生活は嫌いじゃない。
私だけでは起きえないことを起こし、私だけでは思いつかないことを思いつき、それらは繰り返す夢の世界では見れない景色を生み出してくれる。
そして、彼女たちにとっての私も、私にとっての彼女たちなのだろう。
…そうだといいと思う。日常の大半は、無味無臭でありきたりで、わざわざ文面に起こすほどのことではないものである。
そんな毎日だって、それはそれでおもしろい。
一方で、日常の大半ではないアクシデントや、人生レベルの大事件だって、それはそれでおもしろい。そしてそのおもしろいは、交わったから生まれてくるおもしろさなわけで…
それはきっと、外からみてもおもしろいのだろう。ナニカがそれを狙って私たちを集めたのだとしたら、思惑通りであることに腹立たしさを覚えなくもないが…同時に謝意を示そう。
外からみてるアナタが楽しんでいるのであれば、それは私からアナタへの対価である。
このような別の世界を、人生を、物語を与えてくれたアナタへの対価であり、もしアナタとやらが私の、今のこの些末事をのぞき見しているのであれば、一つおまけでいっておきたいことがある。
いいかい、アナタ?
―アナタがどれだけ外からこの世界を面白がっても、今ここにいる私のおもしろいという感情は私だけのものだ。
くやしがれ、カミ様。
4姉妹の3女、ドラ子より。
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ゆるりと活動中。
特別なお知らせなどは、ありません。
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次回生放送を8/29(日)20:00を予定しておりましたが、緊急事態宣言延長に伴い9月以降の放送となりました。詳細が決まり次第、Twitterなどで告知致します。
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【おまけコーナー】《パスシス物語》
PASS:2 次女・セイ子/マイベスト・フィルム
セイ子16歳!
趣味はサイクリングと写真撮影、特技は生クリームの泡立て!
きっとたぶんおそらくどこにでもいる感じの女子高生!
「おい、よそ見してんじゃねーよ、危ないだろう」
こいつは隣の家に住んでる幼馴染。
まるですぐ下の妹みたいに、いっつもあーでもないこうでもないって小言が多くてまいっちゃう。
まあ、なんだかんだで頼りになるところもあるし、悪いヤツじゃないんだけどね?
「お、今日も一緒に登校とはお熱いな」
「べ、べつにそんなんじゃねーし」
「へぇー、じゃぁオレが立候補しちゃおうかな? セイ子のこと嫌いじゃない…いや、むしろ好き、だし」
「なっ!?」校門でばったり出会ったのは、この前ちょっとした事件で仲良くなった学校の先輩。
アルバイトでモデル? タレント? をやってるとかで、うちのクラスでもけっこー人気。
冗談でも軽く『好き』とかいっちゃうから勘違いしちゃう子も出るんじゃないかなぁ。
「あ、あの、セイ子先輩、今日は部活に―」
「ざんねん、少年! 今日のセイ子はバイトの日なのだよ!」教室に向かう途中で話しかけてきたのは、名前だけでもといわれて入っている部活に所属する後輩の男の子。
そして間に入ってきたのは、私の親友のトモ子。
「もうすぐ鐘がなるぞ、さっさと教室に入れガキども」この口が悪い先生は、私のクラスの担任。
昔っから私のことを「チビチビ」いっていじめてくるから、苦手なんだけど…
ただ、私と先生はみんなには内緒で、ラインを交換してる仲だったりする。といっても別に怪しい関係とかではなくて…
『今日のバイト忘れんなよ?』
噂をすれば先生からのメッセージ。
スタンプを送って『覚えてますー』と送れば、あっという間に授業も終わって放課後へ。「おいセイ子!」
「セイ子ちゃん!」
「セイ子先輩!」なんだか出発前に呼ばれた気もするけど、自転車をこいで急いでバイト先へと向かう。
着いたのは、とある商店街に佇む、一軒の写真屋さん。
自転車を止めて店内に。
そして奥へと向かうと、そこには家族写真を撮ったりするようなちょっとしたスペース…スタジオがある。「おぉ、きてくれてありがとうね。今日もお手伝いよろしくね」
スタジオでカメラのセットをしていたのは、この写真屋のオーナーでカメラマンのおじいちゃん。
担任の先生のお爺さんで、私に『写真』の面白さを教えてくれた人―お師匠さんである。
そういうと恥ずかしがっちゃうから師匠には言わないんだけどね?「ご、ごごめんくださ…ぃ」
師匠と一緒に準備をしていると、やがてお客さんがやってきた。
今日のお客さんは、今時珍しい(?)お見合い用の写真をとりにきたお姉さん。「す、すみませんこんなお時間に。どうしても仕事終わりじゃないと時間がとれなくて」
「いえいえ、おきにせず。さ、お荷物はそこに…お着換えが済んだら撮影しましょうね」やがてお化粧直しを済ませたお姉さんがカメラの前に…でも私の目から見ても大丈夫かなってぐらい緊張しちゃってて、顔がもうカッチコッチ。
これじゃぁいい写真はとれない…なんて思うところだけど、ここからが師匠のすごいとこ。「お見合いねえ、懐かしいねぇ、ボクの若い時なんだけどさぁ」
師匠の話をきいてるうちに、どんどんほぐれていくお姉さん。
それがウソか本当かはわからないけど、失敗を笑い話にして、成功をお姉さんの希望に変えて、
そしていつのまにか師匠が除くファインダーの中には、自然な笑顔を浮かべるお姉さんがいて―「それ、もらっちゃいましょう」
パシャリ。
今日一番の一枚を師匠が見逃すはずもなく…「ありがとうございました」
後日お高めの装丁にいれられたお姉さんの笑顔は、見事お見合い相手の興味を引いてお付き合いがスタートするというのはまた別の話。
「おつかれさま、セイ子ちゃん。はい、今日もお手伝いありがとうね」
そして、他のバイトに比べれば時給としてはお安い、だけど代えがたいお給料をもらって、
「もう暗いし送ってこうか、チビ?」
いつの間にか帰宅していた先生にあっかんべーを返して家へと帰る。
朝青かった空はスタジオに来る頃には赤くなっていて、そして今はもう黒い。
夕飯はもうみんな済ませているころかな?
ならばと、閉店間際でお安くなっていたケーキ屋さんで、いつもよりちょっとお高めのケーキを買って家に着く。「あら、おかえりなさい。ご飯食べるでしょ? 用意するわね」
「姉さん手伝うよって…ん、なにそれセイ姉…お土産?」
「わぁぁ!! ケーキだ! ケーキだ! ケーキだ!」案の定ケーキはみんなに、特に一番下の妹が大はしゃぎするぐらいに喜ばれて、
私がご飯、みんながケーキを囲む食卓には自然と笑顔が現れた。私はその狙っていた瞬間にあわせて自分のカメラを―
パシャリ。
「「「んん?」」」
師匠のように最高の瞬間を切り取ることはできなかったけど、
幼馴染といった湖とか、
先輩が教えてくれたビルの屋上とか、
後輩がネコと一緒に昼寝している姿とか、
親友とのツーショットとか、今まで私なりに集めてきたベストショットの中に、
鼻の頭に生クリームをチョコンと載せた妹と家族との写真が増えたのでした。
「「「おやすみ」」」うん、おやすみ。
「次はどんな1枚が増えるかな!」
次の一枚を楽しみに、明日も家を飛び出していく、4姉妹次女セイ子、なのでした。
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【近況】〇PASSグループ
PASSグループのオリジナルのキャラクターのコーナー名が『パスシス物語』に決まりました。〇Project-Pandora
6/27(日)に生放送『パンドラ■チューブ』の3回目を行いました。
試練に挑んだり、アンケートに答えたり、心理テストなどをしました。
放送はコチラ
【今後の予定】〇PASSグループ
パスシス物語の来月担当は、SAY企画を予定しております。〇Project-Pandora
次回生放送を7/25(日)20:00に予定しておりましたが、緊急事態宣言を受け延期となります。
※8月下旬以降に再開予定です。
【おまけコーナー】《パスシス物語》
『PASS:1 長女・エイ子/白―ほわいと』
「ぁふぅぁ~」
目覚ましが鳴る前、
お日様が白い光を窓から差し込んで、新しい朝が来たことを教えてくれるのに合わせて目を覚ます。隣でくーすーと寝息を立てている末の妹を起こさないように布団から這い出て、朝の支度をしていると、台所から3回ピーピーピーと音が聞こえてくる。
予約セットしていた炊飯器の蓋をカパンと空けると、白いお米が起立の状態。
今日も我が家のお米は絶好調。
だけど真っ白なパンだってちゃんと用意はしているのでご安心を。
朝ごはん用と、お弁当用と、おかずを用意している間に妹たちが順に起きてくる。
「おはよう、姉ちゃん!」
「おはよう~」最初に起きてくるのは、2番目の―私のすぐ下の妹。
もぐもぐとご飯とおかずを食べながら、今日の予定を教えてくれた妹は、今日も元気にお弁当をリュックに詰め込むと、玄関を飛び出していった。「いってきまーす!
「いってらっしゃい」カシャン―スタンドを蹴る音がすると、すぐに走り去っていく。
「おはよう、エイ子姉さん」
「おはようー」次に起きてきたのは、3番目。
最近はやりのネットのニュースや動画を教えてくれた妹は、いつもと同じぐらいのパンをかじり、いつもと同じような時間に、いつもの制服に着替え、「いってきます」
「うん、いってらっしゃい」今日もやっぱり、いつもと同じ足音で出かけていく。
「うぅー」
「はい、おはよう」最後に起きてくるのが4番目。
まだ眠いのか、それともいつものことなのか、目を細めてよろよろ歩いてきたと思ったら、その小さなお腹のどこに入っているのかと思うぐらいご飯とおかずが消えていく。
そしていつものように近所のお友達がチャイムを鳴らすのを聞いてランドセルを背負って、「いってきまーーーーーーーすぅ…」
「いってらっしゃい、とちゅうで寝ないでねぇ」
「すぅぅ…」そして家には私だけになって、
お皿を元の真っ白に戻して、
洗濯機の中から、真っ白になったシーツやタオルをおひさまの下に干して、「いってきまーす」
誰が返事をしてくれるわけでもないけど、お仕事へ。
そんな朝が私のいつもで…
そんなどこにでもあるような毎日が、私の物語の大部分だったりするわけです。
そんな私の物語が、絵日記だったとしたら?
長い夏休みに飽きてしまった子供の絵日記みたいに、
『今日も昨日と同じでした。まる。』って感じで、描くことがなくて空白だらけで、
書くことが無くて空欄だらけで、何かの賞に選ばれたりすることもなくて、
先生からは△にされちゃったり、
お友達からはつまんないって言われちゃって、
もっといろいろなところに行きなよとか、
楽しいことやってみなよとか、言われちゃうような毎日でして、
そしてそれは大人になってもかわっていなくって、
絵日記がブログやツイッターやフェイスブックになっても変わっていなくって…
エメラルドグリーンの海を知らなくて、青に埋め尽くされた未知の洞窟を知らなくて、
数えきれない赤や黄色に包まれた野山も知らなくて、
どんな色を何度縫ってもなくならないお絵描きの道具が身近にあっても関係なくて…
でも、そんな真っ白い物語が、私ってやつは嫌いじゃなかったりしたりする。
白い白いいつもの中に、たまに色鮮やかなページがあって、その日はいつもの分まで張り切って隅から隅まで使っちゃうし、毎日毎日全部を埋めてるような『毎日』なんてちょっと苦しいんじゃないかなぁって思ってしまう私もいたりしちゃう。
そりゃあ…まあ、
強がりも多少はあるけれど…
なにより、私はステキな白を知っているからウソではない。
毎朝起こしてくれるおひさまの白。
毎日を元気に過ごせるパンやご飯の白。音が鳴るぐらいキレイに洗えた食器の白。
風にはためくシーツやタオルの白。
毎日を作る中に白はある。毎日の向こうにだって白はある。
お嫁さんになる人が着る白。
どろんこだった男の子がお兄さんになって着る白。今でも笑顔がステキなおばあちゃんの頭の白。
今でもおばあちゃんを車側には立たせないおじいちゃんの頭の白。
だから、白でいいって思う。赤や青や黄や黒や、
緑や桃や茶や紫にだって、ステキがいっぱいあるのは知ってるけれど、そういうのは周りの人にお任せしちゃって…
今日も白くて、
明日も白くて、
でも白いご飯だけだと寂しいから、おかずは黄色に緑に赤に茶色に黒に…青ってなんだろう?
まぁ、うん、カラフルにししちゃいましょう。
「よっし…ただいま」
お仕事を終えて、家へと戻る。白いご飯と色とりどりのおかずを並べていきながら、帰りを待つ。
今日一番最初に戻ってくる妹は誰だろう?
どんなお話をみつけてくるだろう?
聞かせてくれるだろう…
願わくばそのお話が、私と、
あの子たちと、このお話をこっそり覗き込んでいる『アナタ』にとっても、『おもシロイ』お話だったらいいなと思います。
それでは、4姉妹長女エイ子、でした。
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