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《PASS便り》 2021年7月号

PASSグループの進捗情報などを、
 【近況】
 【今後の予定】
 【おまけコーナー】
の3本立てでお届け。
 毎月15日発行。


──────────


【近況】

〇PASSグループ
PASSグループのオリジナルのキャラクターのコーナー名が『パスシス物語』に決まりました。

〇Project-Pandora
6/27(日)に生放送『パンドラ■チューブ』の3回目を行いました。
試練に挑んだり、アンケートに答えたり、心理テストなどをしました。
 
放送はコチラ


【今後の予定】

〇PASSグループ
パスシス物語の来月担当は、SAY企画を予定しております。

〇Project-Pandora
次回生放送を7/25(日)20:00に予定しておりましたが、緊急事態宣言を受け延期となります。
※8月下旬以降に再開予定です。


【おまけコーナー】

《パスシス物語》
『PASS:1 長女・エイ子/白―ほわいと』

「ぁふぅぁ~」

 目覚ましが鳴る前、
 お日様が白い光を窓から差し込んで、新しい朝が来たことを教えてくれるのに合わせて目を覚ます。

 隣でくーすーと寝息を立てている末の妹を起こさないように布団から這い出て、朝の支度をしていると、台所から3回ピーピーピーと音が聞こえてくる。

 予約セットしていた炊飯器の蓋をカパンと空けると、白いお米が起立の状態。
 今日も我が家のお米は絶好調。
 だけど真っ白なパンだってちゃんと用意はしているのでご安心を。


 朝ごはん用と、お弁当用と、おかずを用意している間に妹たちが順に起きてくる。


「おはよう、姉ちゃん!」
「おはよう~」

 最初に起きてくるのは、2番目の―私のすぐ下の妹。
 もぐもぐとご飯とおかずを食べながら、今日の予定を教えてくれた妹は、今日も元気にお弁当をリュックに詰め込むと、玄関を飛び出していった。

「いってきまーす!
「いってらっしゃい」

 カシャン―スタンドを蹴る音がすると、すぐに走り去っていく。


「おはよう、エイ子姉さん」
「おはようー」

 次に起きてきたのは、3番目。
 最近はやりのネットのニュースや動画を教えてくれた妹は、いつもと同じぐらいのパンをかじり、いつもと同じような時間に、いつもの制服に着替え、

「いってきます」
「うん、いってらっしゃい」

 今日もやっぱり、いつもと同じ足音で出かけていく。


「うぅー」
「はい、おはよう」

 最後に起きてくるのが4番目。
 まだ眠いのか、それともいつものことなのか、目を細めてよろよろ歩いてきたと思ったら、その小さなお腹のどこに入っているのかと思うぐらいご飯とおかずが消えていく。
 そしていつものように近所のお友達がチャイムを鳴らすのを聞いてランドセルを背負って、

「いってきまーーーーーーーすぅ…」
「いってらっしゃい、とちゅうで寝ないでねぇ」
「すぅぅ…」

 そして家には私だけになって、

 お皿を元の真っ白に戻して、
 洗濯機の中から、真っ白になったシーツやタオルをおひさまの下に干して、

「いってきまーす」

 誰が返事をしてくれるわけでもないけど、お仕事へ。
 

 そんな朝が私のいつもで…
 そんなどこにでもあるような毎日が、私の物語の大部分だったりするわけです。


 そんな私の物語が、絵日記だったとしたら?


 長い夏休みに飽きてしまった子供の絵日記みたいに、
 『今日も昨日と同じでした。まる。』って感じで、

 描くことがなくて空白だらけで、
 書くことが無くて空欄だらけで、

 何かの賞に選ばれたりすることもなくて、
 先生からは△にされちゃったり、
 お友達からはつまんないって言われちゃって、
 
 もっといろいろなところに行きなよとか、
 楽しいことやってみなよとか、

 言われちゃうような毎日でして、

 そしてそれは大人になってもかわっていなくって、

 絵日記がブログやツイッターやフェイスブックになっても変わっていなくって…


 エメラルドグリーンの海を知らなくて、

 青に埋め尽くされた未知の洞窟を知らなくて、

 数えきれない赤や黄色に包まれた野山も知らなくて、


 どんな色を何度縫ってもなくならないお絵描きの道具が身近にあっても関係なくて…


 でも、そんな真っ白い物語が、私ってやつは嫌いじゃなかったりしたりする。


 白い白いいつもの中に、たまに色鮮やかなページがあって、その日はいつもの分まで張り切って隅から隅まで使っちゃうし、

 毎日毎日全部を埋めてるような『毎日』なんてちょっと苦しいんじゃないかなぁって思ってしまう私もいたりしちゃう。

 そりゃあ…まあ、
 強がりも多少はあるけれど…


 なにより、私はステキな白を知っているからウソではない。


 毎朝起こしてくれるおひさまの白。
 毎日を元気に過ごせるパンやご飯の白。

 音が鳴るぐらいキレイに洗えた食器の白。
 風にはためくシーツやタオルの白。


 毎日を作る中に白はある。

 毎日の向こうにだって白はある。


 お嫁さんになる人が着る白。
 どろんこだった男の子がお兄さんになって着る白。

 今でも笑顔がステキなおばあちゃんの頭の白。
 今でもおばあちゃんを車側には立たせないおじいちゃんの頭の白。


 だから、白でいいって思う。

 赤や青や黄や黒や、
 緑や桃や茶や紫にだって、

 ステキがいっぱいあるのは知ってるけれど、そういうのは周りの人にお任せしちゃって…

 今日も白くて、
 明日も白くて、
 でも白いご飯だけだと寂しいから、おかずは黄色に緑に赤に茶色に黒に…青ってなんだろう?
 まぁ、うん、カラフルにししちゃいましょう。


「よっし…ただいま」


 お仕事を終えて、家へと戻る。

 白いご飯と色とりどりのおかずを並べていきながら、帰りを待つ。

 今日一番最初に戻ってくる妹は誰だろう?

 どんなお話をみつけてくるだろう?

 聞かせてくれるだろう…


 願わくばそのお話が、

 私と、
 あの子たちと、

 このお話をこっそり覗き込んでいる『アナタ』にとっても、『おもシロイ』お話だったらいいなと思います。


 それでは、4姉妹長女エイ子、でした。


──────────


あなたに“ぴったり”の記事はありましたでしょうか。
次号も、お楽しみに。

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